chainsawmanfanのブログ

チェンソーマンファン

「目的への抵抗」を読みました

今日読んだ本について自分なりにまとめてみようと思う

新書というものに最近出会って、その魅力に憑りつかれているこの頃。あらゆる分野の専門家が一般人に分かりやすくその分野の面白さ、深さを紹介する薄くて割安なこのジャンルであるが、以前は何となくきもちわるいと敬遠していた。今ではその抵抗感はあまりないし、もったいなかったなとも思っている。


この本の著者の國分さんの本は二冊程(暇と退屈の倫理学、哲学の先生と人生の話をしよう)読んでいて、紋切り型の考えを一刀両断するその語り口とその精神で國分さんが連れていってくれる哲学をワクワクしながら追っていたことを覚えている。


さて、本題に移るが、この本は著者がコロナ禍で感じた違和感とそれに対する様々な哲学者の論考をまとめ、仮説を提示したものだという。内容は政治に深く踏み込んでいて途中理解しにくい所も多々あったが、面白い!と感じる所もあった。それを今から紹介しようと思う。


この本の主題は題の通り、目的への抵抗、である。目的という概念の本質は手段を正当化することにある、と哲学者ハンナアーレントは言う。そういった目的の呪縛から逃れる道もあるよと提示し、正に、紋切り型の考えを批判的視点から観察することを試みるのである。


しかし一方で、私たちは何か行為をするときに目的を与えずにはいられない。僕なんか、四六時中目的のことばかり考えている。そのような考え方からは逃れられないからこそ、目的に抵抗し活路を見いだそうと考えたのかな、と思った。


後一つ、思ったことがある。今読みかけの、勉強の哲学という本との関連である。

この本では、勉強し学ぶことが脱コード化をもたらすと書かれている。どういうことかというと、以前いた社会で何となく当たり前だとされていた習慣から抜け出すということである。國分さんが目的への抵抗でやろうとしたことは、この脱コード化を読者に勧めようということなのだろう。