chainsawmanfanのブログ

チェンソーマンファン

日記2023/12/15、司馬遼太郎の作品

最近司馬遼太郎を読んでいるのだが、異様に面白い。幕末物の「燃えよ剣」。新選組副長の土方歳三を主人公に据えて展開される剣客活劇は、保守的な”漢”像のカッコよさをガツンと伝えてくれる。僕は、山南敬助が死を覚悟して、というか死を生きざまとして受け入れて、土方歳三との意見の相違から新選組を脱退する場面がとても好きだ。
まだ最後まで読めていないが、放置していると本が熱を発して「読め」と念じてくるようだ。
司馬遼太郎は忍者小説でも有名な作家だ。直木賞受賞作の「梟の城」は忍者ものだし、他にも「風神の門」や短編集など、多くの忍びを描いている。僕は司馬遼太郎の描く忍者像が好きだ。まだ二作しか読んでいないが、心底惚れている。幼い頃から虐待同然の訓練を受け、常人離れした技術をもって戦国大名に雇われる「下忍」。彼らの生き方は、のほほんと現代を生きる私たちに、死の鋭さ、生の軽さを鮮烈なイメージを伴って感じさせる。僕は、彼らの動物的とまで言える殺戮精神に、チェンソーマンを重ねたいと思う。不死身の体で悪魔を滅多切りにするがその本性は性欲であり、自己顕示欲であるという両極端の生々しさの融合。気持ち悪い、グロテスク、不道徳、、、そんな言葉で形容したくなるほどおぞましいのに、怖いもの見たさで覗いてしまう。忍者の場合、不死身でなく、切られた腕は再生しないし、釜茹でにされると死んでしまうが、そちらの方が切迫した生を感じられておぞましい。だからこそ、良い。