chainsawmanfanのブログ

チェンソーマンファン

よくわからん短編を読んだ

三島由紀夫の、雨の中の噴水という短編を読んだ。
三島由紀夫の小説はあまり読んだことがないが、前に金閣寺を読んだ際は、美文とはこれをいうのだろうなという感じがした。抽象的で雄々しい信念に縁どられた金剛色の言葉が圧倒的な質感を湛えて迫ってくるような、三島由紀夫の最期へと連想させるような文章だと思う。
好きな一節を引用する。
「その一言をいっただけで、自分の力で、青空もひび割れてしまうだろう言葉。とてもそんなことは現実には起こりえないと半ば諦めながら、それでもい「いつかは」という夢を熱烈に繋いできた言葉。弓から放たれた矢のように一直線に的を目掛けて天翔ける世界中で最も英雄的な、最も光り輝く言葉。人間の中の人間、男の中の男にだけ、口にすることを許されている秘符のような言葉。すなわち、「別れよう!」」
大仰な前説に対する「別れよう!」のアンバランスさが逆に心地よい。

これ分かりやすかった!